石橋代表個人のブログ さかいハッタツ友の会

発達障害の自助グループを主宰してます。家族会と当事者会があります。開催回数と年間のべ参加者数で日本一のセルフヘルプグループです。

書籍化にむけて はじめに

私は2021年で42歳になりました。27歳の時に発達障害のひとつADHDと診断を受けました。当時は「発達障害」という言葉も知られていなかったし、成人の診断ができる病院も少なかったです。当時の私を救ってくれたのは3つの自助グループでした。

1、病院を教えてくれた自閉症自助グループの人たち
2、自分自身で立ち上げた発達障害全般の自助グループの仲間たち
3、自助会の運営ノウハウを教えてくれた「先輩グループ」の姉御(私が勝手にそう呼んでいる)

どんな薬よりも、どんな療法よりも、私の「生き辛さ」を改善してしてくれたのは
最初から「セフルヘルプ」だったのです。

おかげで今は建築会社の営業兼現場監督をしています。結婚して子供も授かりました。15年前は想像も出来なかった幸せな日々を送ることが出来るようになっています。

昨今、発達障害という言葉は各分野でトレンドワードになる事も多く、診断できる病院や支援機関や事業所も増えてきました。いち当事者として喜ばしいことだと思っています。

しかしながら、問題点は山積しており、手つかずのままの課題が多くあります。その中で最も重要かつ緊急性の高いものが「当事者視点の欠如」と「親のケア」です。※いずれも後述

この2点をカバーする事ができるのは、今のところ「自助グループ」しかないと私は思っています。

本書では、専門家や研究者、支援者や行政が見落としがちな視点を、自助グループという「システム」を通じてお伝えしたいと思っています。

私の主宰する「さかいハッタツ友の会」は、大阪府堺市で15年前に設立しました。現在は31個の小さなグループに分かれて、各地で当事者会や家族会を自主的に開催しています。
現在はコロナ禍によってオンライン開催に移行しつつありますが、2019年実績では年間開催2000回以上、延べ参加者は2000人を超える規模にまで成長しました。これは開催回数も参加者数において日本最大規模の発達障害自助グループです。

私個人も15年間の活動を通じて、1000人以上の当事者さんや家族さんとお話ししてきました。その中で、発達障害についての現実的で、かつ実践的な対処パターンを把握できるようになりました。それも合わせて読んで頂ければ幸いです。


石橋尋志